人はどんなウェブサイトを信頼する? 研究でわかった決め手
人がサイトを信頼できるかを判断した理由のコメントで、いちばん多かったのは「見た目」でした。中身や運営者より先に、見た目で判断されやすいのです。人はどんなサイトを信頼するのかを、研究で確かめました。
3行でわかる
- 信頼を判断した理由のコメントで最も多かったのは見た目(デザイン)。中身より先に見られやすい
- 運営者・連絡先が見えること、広告が少ないこと、更新されていることが信頼を上げた
- 人は全部を確かめず、評判やほかの人の評価などの近道で判断している
確かさ: A 確か=メタ分析・大規模な再現・長く再現されてきた法則があり、効果があること自体が確か/B 条件しだい=場面で結果が変わる・争いがある(基準)。
01 使える原則信頼されるサイトの条件は?
見た目・作り手が見えること・広告の少なさ・更新。どれも研究は複数あるが、場面で重みが変わる(B)。
| 原則 | わかっていること | 確かさ |
|---|---|---|
| 見た目がまず見られる | 信頼を判断した理由のコメントで最も多かったのは、見た目(デザイン・配置・色)についての意見だった | B 条件しだい |
| 作り手が見える | 住所・連絡先・運営者が見えるサイトは、信頼が高く評価された | B 条件しだい |
| 広告が少ない | 広告が多い・飛び出す広告があるサイトは、信頼が下がった | B 条件しだい |
| 更新されている | 最近更新されているサイトは、信頼が高く評価された | B 条件しだい |
| 素人っぽさは下げる | 誤字・リンク切れ・崩れた見た目は、信頼を下げた | B 条件しだい |
| 近道で判断する | 人は全部を確かめず、評判やほかの人の評価などの近道で判断する | B 条件しだい |
02 どうやってわかったのかどうやって調べた?
多くの人に実際のサイトを見せて信頼を評価してもらい、その理由を集めて数えた。
B 条件しだいFogg ほか(2001、CHI)[1]
運営者の住所や連絡先がある・作り手が見えるサイトは信頼が上がり、広告の飛び出しや誤字・リンク切れは信頼を下げた。
どうやって: 1,400人超に、サイトの特徴を並べた質問票で、信頼にどう響くかを答えてもらった(行動でなく、答えた考えを集めた研究)。
B 条件しだいFogg ほか(2003、DUX)[2]
信頼を判断した理由のコメントのうち、見た目に触れたものが約46%で最も多かった。
どうやって: 2,500人以上に、同じ分野の2つのサイトを比べて、どちらを信頼するかと理由を書いてもらった。
B 条件しだいSillence ほか(2004、CHI)[3]
健康情報のサイトを探す人は、まず見た目で多くのサイトをすぐに外し、残ったサイトを中身で比べていた。
どうやって: 健康情報を探す人に、実際にサイトを使ってもらい、話を聞いた。
03 作るときの当て方どう作ればいい?
見た目で外されないようにし、作り手を見せ、売りつけ感を消す。中身の確かさは、その後で比べられる。
見た目で外されないようにする
崩れ・誤字・リンク切れをなくす。単純で見慣れた形にする。
運営者と連絡先を見える所に
フッターから運営者のページへ。誰が書いたか・いつ直したかを書く。
広告と売りつけ感を減らす
飛び出す広告を置かない。物を売る記事にしない。
更新日を出し、本当に直す
更新日だけ変えない。中身を直した時に変える。
出典とわからないことを書く
中身で比べる人のために、出典と確かさを書く。
第一印象・迷わなさの原則は、ウェブサイトに使える10の原則にまとめた。
04 使わない説よく聞くけれど使わないのは?
信頼の「印」を飾りで足しても、中身が伴わなければ逆効果になりうる。
| よく聞く説 | 判定 | 研究では |
|---|---|---|
| 認証マークや「No.1」を並べるほど信頼される | 言い過ぎ | ここで挙げた研究は、印を並べるほど信頼が上がるとは示していない |
| 見た目さえ良ければ信頼される | 言い過ぎ | 見た目で外されにくくなるだけ。残ったサイトは中身で比べられていた |
なお、根拠のない「No.1」表示は、景品表示法の不当表示になるおそれがあります。
05 まだわかっていないことまだわからないのは?
研究の多くは2000年代のパソコンのサイト。スマホと AI の検索が広まった今、決め手が同じかはわかっていない。
- スマホとAI検索の時代の決め手今はAIの答えや検索の要約を通してサイトに来る人も多い。その時に何で信頼を決めるかは、研究が追いついていない。
- 国や年齢での違い研究はアメリカやイギリスの人が中心で、日本の人で同じ順になるかは確かめられていない。
06よくある質問
人は何でウェブサイトを信頼しますか?
2,500人以上の調査では、信頼を判断した理由のコメントで最も多かったのは見た目(約46%)でした(Fogg ほか 2003)。別の質問票の研究では、運営者が見えること、広告が少ないこと、更新されていることも信頼を上げました(Fogg ほか 2001)。
信頼されるサイトにするには?
崩れや誤字をなくして見た目で外されないようにし、運営者と連絡先を見せ、飛び出す広告を置かないことです。中身で比べる人のために、出典も書きましょう。
広告は信頼を下げますか?
広告が多い・飛び出す広告があるサイトは、信頼が下がりました(Fogg ほか 2001)。
出典
- Fogg, B. J., Marshall, J., Laraki, O., et al. (2001). What makes Web sites credible? A report on a large quantitative study. Proceedings of CHI 2001, 61–68. doi:10.1145/365024.365037
- Fogg, B. J., Soohoo, C., Danielson, D. R., et al. (2003). How do users evaluate the credibility of Web sites? A study with over 2,500 participants. Proceedings of DUX 2003. doi:10.1145/997078.997097
- Sillence, E., Briggs, P., Fishwick, L., & Harris, P. (2004). Trust and mistrust of online health sites. Proceedings of CHI 2004, 663–670. doi:10.1145/985692.985776
- Metzger, M. J., Flanagin, A. J., & Medders, R. B. (2010). Social and heuristic approaches to credibility evaluation online. Journal of Communication, 60(3), 413–439. doi:10.1111/j.1460-2466.2010.01488.x