連続記録(ストリーク)は続ける助けになる? 途切れた後に注意
連続記録は続ける助けになりますが、途切れた記録を見ると、その後の行動が減るという研究があります。連続記録の良いところと危ないところを、研究で分けました。
3行でわかる
- 進み具合が見えて、ゴールが近いほど人は頑張れる。連続記録にはその力がある
- 一方で、途切れた記録を見ると、その後の行動が減る。途切れを直せると、落ち込みは弱まった
- 1日休んでも習慣はほとんど崩れない。途切れても戻れる作りにする
確かさ: A 確か=メタ分析・大規模な再現・長く再現されてきた法則があり、効果があること自体が確か/B 条件しだい=場面で結果が変わる・争いがある(基準)。
01 使える原則連続記録は効く?
条件しだい(B)。続けている間は助けになるが、途切れた記録を見ると、その後の行動が減る。
| わかっていること | 研究 | 確かさ |
|---|---|---|
| ゴールが近いほど頑張れる | コーヒーのスタンプカードは、満杯に近づくほど来店の間が短くなった | B 条件しだい |
| 記録は続ける助けになる | 進み具合を確かめると、目標に届きやすくなった | A 確か |
| 途切れを見ると、行動が減る | 途切れた記録を見せると、続いている記録を見せた時より、その後の行動が減った。直せると弱まった | B 条件しだい |
| 1日休んでも習慣は崩れにくい | 1日やらなかったことは、習慣づくりにほとんど影響しなかった | B 条件しだい |
| ごほうびで釣ると、自分からのやる気が下がることがある | 条件つきのごほうびは、内発的な動機を下げることがある | B 条件しだい |
02 どうやってわかったのか途切れると行動が減るのはなぜわかった?
続いている記録と途切れた記録を見せて、その後の行動を比べる研究を重ねた。
B 条件しだいSilverman & Barasch(2023、Journal of Consumer Research)[3]
途切れた記録を見せると、続いている記録を見せた時より、その後の行動が減った。途切れを直せる(取り戻せる)と、この落ち込みは弱まった。
どうやって: 7つの研究(実験)で、記録の見せ方を変えて比べた。
B 条件しだいKivetz ほか(2006、Journal of Marketing Research)[1]
コーヒーのスタンプカードでは、満杯に近づくほど来店の間が短くなった。ゴールが近いほど頑張れた。
どうやって: カフェのスタンプカードの実際の利用記録を調べた。
B 条件しだいLally ほか(2010、European Journal of Social Psychology)[4]
1日やらなかったことは、その後の習慣づくりにほとんど影響しなかった。
どうやって: 96人に12週間、新しい行動を毎日記録してもらい、82人を分析した。
03 作るときの当て方アプリでどう使う?
進み具合は見せ、途切れた時の痛みは小さくする。「連続」より「合計」と「戻ってきたこと」を見せる。
「連続」より「合計」も見せる
「30日連続」だけでなく「今月20日できた」を出す。途切れても合計は減らない。
休みの日を先に決められる
週に1〜2日の休みを本人が選べると、途切れにくい。
途切れた日に責めない
「また今日から」と戻れる言葉を出す。記録を消さない。途切れを直せると落ち込みが弱まった研究がある。
失う物を作らない
連続が切れたら失うごほうびや、それを守るための課金は作らない。
04 使わない説連続記録の話で使わないのは?
失う怖さで縛る作りは、続けている間は効いても、途切れた後に離れやすい。
| よく聞く説 | 判定 | 研究では |
|---|---|---|
| 連続が切れたら失う物があるほど続く | 言い過ぎ | 途切れを見せると行動が減る研究がある。失う物で縛ると、途切れた時の落ち込みを大きくしうる(失う物そのものを試した研究ではない) |
| 21日続ければ習慣になる | 根拠なし | 中央値66日、人によって18〜254日 |
よく聞く説(おとりのプラン・21日で習慣など)の答え合わせは、よく聞く説10個の答え合わせにまとめた。
05 まだわかっていないことまだわからないのは?
休みの日を選べる作りや「合計」の見せ方が、どれくらい途切れた後の離脱を防ぐかは、確かめた研究が少ない。
- 休みの日を選べると離れにくいか理屈では途切れにくくなるが、アプリで比べた研究は少ない。
- 人によって合う・合わない連続記録で燃える人と、重荷になる人がいると考えられるが、見分け方はわかっていない。
06よくある質問
連続記録(ストリーク)は効果がありますか?
続けている間は助けになります。進み具合が見えて、ゴールが近いほど人は頑張れます(Kivetz ほか 2006)。ただし、途切れた記録を見ると、その後の行動が減るという研究があります。途切れを直せると、この落ち込みは弱まりました(Silverman & Barasch 2023)。
連続記録が途切れたらどうすればいい?
1日休んでも習慣はほとんど崩れないという研究があります(Lally ほか 2010)。記録を消さず、翌日に戻れる作りがおすすめです。
ストリークを守るための課金は良いですか?
失う怖さを使う作りは、途切れた後の離脱を増やすおそれがあり、使う人の得にもなりにくいので、おすすめしません。
出典
- Kivetz, R., Urminsky, O., & Zheng, Y. (2006). The goal-gradient hypothesis resurrected. Journal of Marketing Research, 43(1), 39–58. doi:10.1509/jmkr.43.1.39
- Harkin, B., Webb, T. L., Chang, B. P. I., et al. (2016). Does monitoring goal progress promote goal attainment? A meta-analysis of the experimental evidence. Psychological Bulletin, 142(2), 198–229. doi:10.1037/bul0000025
- Silverman, J., & Barasch, A. (2023). On or off track: How (broken) streaks affect consumer decisions. Journal of Consumer Research, 49(6), 1095–1117. doi:10.1093/jcr/ucac029
- Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40(6), 998–1009. doi:10.1002/ejsp.674
- Deci, E. L., Koestner, R., & Ryan, R. M. (1999). A meta-analytic review of experiments examining the effects of extrinsic rewards on intrinsic motivation. Psychological Bulletin, 125(6), 627–668. doi:10.1037/0033-2909.125.6.627